- フリーランスで年収800万円稼ぐと手取りはいくらになる?
- 個人事業主で年収800万円の場合の支払うべき税金は?
- フリーランスで年収800万円稼ぐにはどうすればいい?

フリーランスで年収800万円だと手取りはどのくらいになるのでしょう?



フリーランスで年収800円だと、手取りは約616万円です。この記事ではフリーランスが支払う税金や保険料の種類について解説しています。
フリーランス(個人事業主)として独立すると、会社員のときよりも年収の額面が上がる人が多いです。
しかし手取りに換算すると、あまり変わりなかったり、むしろ少なくなったりするケースもあります。
では、フリーランスの場合、どういった税金や保険料を支払うことになるのでしょうか。
また、フリーランスで年収800万円を目指すにはどんなことを心がければいいのでしょうか。
ここでは年収800万円のフリーランスについて詳しくまとめています。
年収800万円のフリーランスの手取りは多い?少ない?
フリーランスで年収800万円を稼いだ場合、手取りは約616万円となります。
フリーランスで会社員時代と同じ手取り額を得るためには1.2倍の年収がひとつの目安となります。
会社員は給与額によって社会保険料や所得税額が異なるため、一概にいうことはできませんが、会社員時代の2割増しの年収であれば、当時と同等くらいの手取りになることが多いです。
年収800万円のフリーランスの手取りの計算方法
フリーランス(個人事業主)として腹区場合、収入から税金と保険料を後払いします。
売上-経費-税金-保険料=手取り
上記の式によって手取りを求めることができます。
個人事業主の場合、業種や事業所得額によって個人事業税と消費税を課される場合があります。
- 所得税 … 546,900円
- 住民税 … 497,200円
- 国民健康保険 … 約597,700円
- 国民年金 … 199,320円
800万円の年収から上記を引くと、手取りが約616万円となります。
個人事業税の納付義務がある個人事業税だと、さらにここから195,000円が引かれます。
そうすると手取りは5,965,000円となります。
会社員は福利厚生の面でも有利
会社員には毎月支払われる給与以外の報酬もあります。
フリーランスにはない有給休暇や住宅手当といった福利厚生制度があるためです。また、会社員には備品などもそろっているため、その分の出費を抑えることができます。
有給などの福利厚生費や仕事に必要な備品購入代金などを考慮すると、会社員時代の4~5割増しの年収で、ようやく同等以上と考えることもできます。
年収800万円のフリーランスから引かれる税金・保険料
年収800万円のフリーランス(個人事業主)の収入から引かれる税金と保険料は以下の通りです。
- 所得税
- 住民税
- 個人事業税
- 消費税
- 国民年金保険料
- 国民健康保険料
- 介護保険料
年収800万円の所得税
事業などで得られた利益に課税されるのが所得税です。
所得税の税率は課税所得額によって決まっています。そこからさらに課税所得金額に応じた税金控除額が引かれます。
課税所得金額 | 税率 | 税金控除額 |
---|---|---|
1000 ~ 194万9000円 | 5% | 0円 |
195万 ~ 329万9000円 | 10% | 9万7500円 |
330万 ~ 694万9000円 | 20% | 42万7500円 |
695万 ~ 899万9000円 | 23% | 63万6000円 |
900万 ~ 1799万9000円 | 33% | 153万6000円 |
1800万 ~ 3999万9000円 | 40% | 279万6000円 |
4000万円 以上 | 45% | 479万6000円 |
日本では累進課税制度を採用しているため、所得が上がれば上がるほど、課税される割合も高くなります。
年収800万円の住民税
フリーランスで事業所を置いている都道府県・市区町村に支払うのが住民税です。
住民税には所得割と均等割の2種類があります。
所得割は課税所得金額のおよそ10%、均等割は定額で5,000円です。
住民税には、都道府県民税と市区町村民税が含まれています。市区町村によって住民税額に若干の違いがあります。
年収800万円の個人事業税
個人事業税は、事業所を置いている都道府県に支払います。
個人事業税には290万円の所得控除があるので、課税所得が290万円以下の場合には、個人事業税がかかりません。
個人事業税の税率は業種によって3~5%の値が設定されています。
年収800万円の消費税
フリーランスで収入が1,000万円を超えると消費税が発生します。
消費税の税率は10%(軽減税率の場合は8%)です。
売上に対する消費税額から、仕入れにかかった消費税額を引いた金額を支払います。課税所得額が1,000万円以下だと対象外になるため、消費税はかかりません。
年収800万円の国民年金保険
国民年金保険料の金額は一律で決まっています。
所得にかかわらず、全員が同じ金額を支払います。月々17,000円前後のため、他の税金などと比べると負担はそこまで大きくありません。
会社員も国民年金に加入していますが、会社が支払ってくれる厚生年金にも加入しています。そのため、老後は会社員のほうが安心度が高いです。
年収800万円の国民健康保険
フリーランスとして働く場合、国民健康保険に加入しなければなりません。
会社員が入る保険とは異なるため、もし会社員からフリーランスになる場合には、各自治体で手続きする必要があります。
国民健康保険料は、各自治体によって異なります。
会社員の場合、会社が半分支払ってくれましたが、フリーランスは自分ですべて支払う必要があるため、負担が重くなります。
会社員からフリーランスになって手取りが少なくなったと感じる原因は、国民健康保険料にあることが多いです。
年収800万円の介護保険
介護保険は、40歳以上の国民全員に加入義務があります。
支払う金額は年齢や所得によって異なります。
独身と既婚で手取りは変わる?
独身であっても既婚でもあっても税率は変わりません。
しかし、既婚者のほうが控除の種類が増えるため、納付額が安くなります。
- 配偶者控除…配偶者の年間所得が48万円以下
- 配偶者特別控除…配偶者の年間所得が48万~133万円
- 一般扶養控除…16歳以上の扶養親族
- 特定扶養控除…19~23歳の扶養親族
- 老人扶養控除…70歳以上の扶養親族
結婚すると独身のときよりも課税対象の所得額を抑えることができるため、手取りを多く残すことができます。


年収800万円のフリーランスのおすすめ節税テクニック
フリーランス(個人事業主)の手取りを増やすには、節税方法を覚えておくのも重要です。
手取りをアップさせる方法として、以下のような節税法があります。
- 経費を計上する
- 青色申告を行う
- 国民年金基金を利用する
- 小規模企業共済に加入する
フリーランスの節税方法①経費を計上する
必要経費を漏れなく計上することで課税所得を減らせます。
そうすると結果的に節税につながります。
たとえば経費を10万円で計上した場合と50万円で計上した場合、課税所得には40万円の差が出ます。その分、納めなければならない税金も増えるため、しっかり経費を計上しましょう。
これまできちんと経費を計上できていなかった人は、経費計上を改めるだけで手取りがアップする可能性があります。
フリーランスの節税方法②青色申告を行う
フリーランスを含む個人事業主の場合、事前に青色申告承認申請書を提出しておくと、青色申告で確定申告ができます。
青色申告だと最大65万円の「青色申告特別控除」が受けられるため、かなりの節税につながります。
青色申告での確定申告は、複式簿記での記帳などの手間がかかりますが、その分メリットも大きいため、ぜひ活用しましょう。
フリーランスの節税方法③国民年金基金を利用する
国民年金基金を利用すると、年金が上乗せしてもらえるようになります。
さらに国民年金基金の掛け金すべてが所得控除の対象となるため、高い節税効果があります。
国民年金基金は月で最大68,000円かけることができるため、年間にすると81万6,000円にもなります。
老後に受け取れる年金も増えるため、フリーランスにとってありがたい制度となっています。
フリーランスの節税方法④小規模企業共済に加入する
小規模企業共済は、フリーランスにとっての退職金のような制度です。
掛け金がすべて控除対象となるため、節税効果も高いです。
月額10,000~70,000円まで、500円単位で自由に掛け金が選べ、従業員20人以下の個人事業主ならば誰でも入れます。
フリーランスで年収800万円を目指すポイント
フリーランス(個人事業主)で年収800万円を稼ぐのは、決して簡単なことではありません。
年収800万円以上を稼ぐフリーランスは全体の10%ほどといわれています。
フリーランスで年収800万円を目指す場合は、以下のポイントを抑えておきましょう。
- 需要の高いスキルを身につける
- クライアントから信頼されるようになる
- フリーランス向けエージェントを活用する
フリーランスで年収800万円を目指すコツ①需要の高いスキルを身につける
フリーランスとして年収800万円以上を目指すならば、需要があり、専門性の高いスキルを身につける必要があります。
需要が高いスキルを身につけていると、その分だけ市場価値が高まります。
とくにIT業界は日々進歩しているため、現在のスキルを向上させていくのはもちろん、新しいスキルを身につけていくことも収入アップにつながります。
スキルの習得により、対応できる案件が増えれば、その分条件がいい案件を受けられる可能性が上がります。
フリーランスで年収800万円を目指すコツ②クライアントから信頼されるようになる
フリーランス(個人事業主)が収入を増やすには、安定的に案件を確保する必要があります。
安定して案件を受けるためにはクライアントとの信頼関係が重要になります。
クライアントと信頼関係が築ければ、その分、条件がいい案件を発注してもらえる可能性が高くなります。
普段からしっかり納期を守り、クライアントの要求に応えられるような納品を心がけましょう。
フリーランスで年収800万円を目指すコツ③フリーランス向けエージェントを活用する
フリーランスとして高収入を目指すならば、フリーランス向けエージェントの利用もおすすめです。
フリーランス向けエージェントは、クラウドソーシングサービスよりも単価が高い案件を取り扱っており、継続依頼も多いです。
最近ではリモートでできる案件も増えてきているため、週1~2回自宅で副業したいという人にもぴったりです。
年収800万円を目指すフリーランスにおすすめのエージェント
フリーランス(個人事業主)として年収800万円を目指すならば、フリーランス向けエージェントを利用するのが効率的です。
そこでおすすめのフリーランス向けエージェントを紹介します。
- レバテックフリーランス
- ミッドワークス
- フォスターフリーランス
おすすめエージェント①レバテックフリーランス


「レバテックフリーランス」は登録者数が1位でありながら、利用者の平均年収が862万円という業界最大級のフリーランス専門エージェントです。
週3日から働ける案件から、フルリモートで働ける案件まで、さまざまな案件を所有しています。
単価交渉や契約の手続きなどはエージェントが代わりにやってくれるため、実務だけに集中できます。
現在フリーランスでなくても情報収集のためだけに登録することが可能です。
おすすめエージェント②ITプロパートナーズ


「ITプロパートナーズ」は週2日から働ける副業案件に強いフリーランス専門エージェントです。
IT業界で起業したい人も利用できるため、安定して案件を獲得できます。
もちろんフルタイムで働きたい人向けの案件もそろっているため、フリーランスとして独立するまでの収入を確保したい人にもおすすめです。
おすすめエージェント③Midworks(ミッドワークス)


「ミッドワークス」は、IT系フリーランス専門エージェントです。
常に3,000件以上の案件を掲載しており、正社員並みの待遇を受けることができます。
フリーランス特有のリスクも防いでくれるため、初めての起業で不安が多い人にも安心です。
急に案件が途切れてしまったときの給与保障制度や、生命保険料の半額負担が福利厚生として整っているため、フリーランスにとって心強いサービスです。
フリーランスで年収800万円稼げる仕事
具体的にどういった仕事ならばフリーランスで年収800万円が稼げるのでしょうか。
フリーランスで年収800万円の仕事例①エンジニア
フリーランスエンジニア・プログラマーの平均年収は400万~1,000万円程度です。
そのため、実績とスキルさえあれば十分に年収800万円が目指せる職業です。
フリーランスエンジニアは、フリーランスで活動できる職業の中でも高収入が目指せます。ただし、職種によって大きく年収が異なります。
職種 | 平均年収 |
---|---|
フリーランスシステムエンジニア | 600万~960万円程度 |
フリーランスインフラエンジニア | 600万~800万円程度 |
フリーランスデータベースエンジニア | 500万~600万円程度 |
フリーランスセキュリティエンジニア | 840万~1,200万円程度 |
フリーランスAIエンジニア | 600万~1,000万円程度 |
もっとも平均年収が高いのはフリーランスセキュリティエンジニアです。
セキュリティエンジニア将来性が高く、これからも需要が見込まれる職種です。
フリーランスで年収800万円の仕事例②コンサルタント
フリーランスコンサルタントの平均年収は800万~1,000万円程度です。
フリーランスとして働ける職業の中で時間単価が高い仕事で、時給換算で1万円以上という人も少なくありません。
コンサルティング業は時間単価で考えると、とても効率良く稼げる仕事といえます。
職種 | 平均年収 |
---|---|
フリーランスIT・Webコンサルタント | 1,200万〜1,500万円程度 |
フリーランス経営戦略コンサルタント | 1,200万〜2,400万円程度 |
フリーランス財務戦略コンサルタント | 1,200万〜2,040万円程度 |
フリーランス人事戦略コンサルタント | 1,200万〜1,500万円程度 |
フリーランスで年収800万円の仕事例③デザイナー
フリーランスデザイナーの平均年収は300万~900万円程度です。
デザイナーの収入には幅があるため、300万円近辺のデザイナーが多いものの、人気が出れば800万円以上稼ぐフリーランスデザイナーもいます。
最近はデジタル媒体の案件が多く、WebデザイナーまたはUI/UXデザイナーのほうが高収入を目指しやすいです。
職種 | 平均年収 |
---|---|
フリーランスWebデザイナー | 300万〜600万円程度 |
フリーランスグラフィックデザイナー | 700万〜800万円程度 |
フリーランスUI/UXデザイナー | 80万〜960万円程度 |
まとめ
フリーランスで年収800万円を稼ぐと、手取りは約616万円となります。
1ヶ月あたりで考えると手取りは約51万円です。
職種によっては個人事業税の納付もあるため、さらに手取りが減ってしまいます。
フリーランスで年収800万円を目指すのは決して簡単ではありません。
クライアントとの信頼関係を築き、仕事の単価を少しずつアップしていくことで、収入を上げていきましょう。
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