- ITエンジニアの給料が安すぎって本当?
- エンジニアの給料が低い理由って?
- ITエンジニアの月収・年収はどのくらい?

ITエンジニアの給料が安いと言われているのには理由があるのでしょうか?



ITエンジニアの給料が安い理由はいくつかあります。ただし、平均年収が高いITエンジニアもいるため、すべてのエンジニアの月収が安いわけではありません。
現在、ITエンジニアとして働いている人の中には、自分の年収が適性なのかどうか気になっている人もいるのではないでしょうか。
また、これからITエンジニアを目指す人にとっても平均年収がどのくらいなのかは気になるところですよね。
「ITエンジニアは給料が安い」という意見も見かけることがありますが、本当に安いのでしょうか。また、安いのには何か理由があるのでしょうか。
この記事では、ITエンジニアの給料の実際のところと、年収をアップさせるためにやるべきことについてまとめています。これからITエンジニアになりたい人は、ぜひチェックしてみてください。
ITエンジニアの平均年収は安い?高い?
ITエンジニアの年収は低いといわれることがありますが、本当なのでしょうか。
もしそうだとしたら平均年収とどのくらい違うものなのでしょうか。
ITエンジニアの平均年収は522万円
政府統計e-Statによると、ITエンジニアの平均年収は522万9,700円です。
国税庁の調査結果によると日本人1人あたりの平均給与は433万円です。
そのため、ITエンジニアの平均年収は決して低くないことがわかります。むしろ平均よりだいぶ高いといえるでしょう。
ただしエンジニアの年収は、役職や経験年数、スキルなどによって大幅に変わってくるため、給料が安い人と高い人との差が激しいことも考えられます。
職種別のエンジニアの平均年収
dodaの報告によると職種ごとの平均年収は以下のようになっています。
順位 | 職種 | 平均年収 |
1位 | データサイエンティスト | 696万円 |
2位 | バックエンドエンジニア | 643万円 |
3位 | データベースエンジニア | 602万円 |
4位 | ブリッジSE | 600万円 |
5位 | フロントエンドエンジニア | 599万円 |
6位 | クラウドエンジニア | 597万円 |
7位 | セキュリティエンジニア | 596万円 |
8位 | 品質管理エンジニア(テストエンジニア) | 558万円 |
9位 | セールスエンジニア | 549万円 |
10位 | 社内SE | 552万円 |
エンジニアの中でもっとも平均年収が高いのは、データサイエンティストです。
もっとも低いのはアプリケーションエンジニアの438万円でした。
その差は年間で約260万円と、かなりの差があることがわかります。
同じITエンジニアでも年収にはかなりの違いがあるため、職種選択の際もしっかり認識しておく必要があります。
世代別のITエンジニアの平均年収
ITエンジニアは経験を積んで実績を重ねるほど、平均年収が高くなる傾向にあります。
世代別に年収の違いを見ると、以下のようになります。
年代 | 平均年収 |
20代 | 約375万円 |
30代 | 約497万円 |
40代 | 約584万円 |
20代だと実務経験が少ないため、平均年収は少なくなります。
IT関連のスキルは働きながら身につけていくことが多いため、20代はその分の経験がまだ不足しています。
20代のうちにしっかりスキルアップしておきましょう。
ITエンジニアの平均年収が安い理由
ITエンジニアの平均年収が低いと思われてしまう理由には、以下の3つが考えられます。
- 労働時間が長い
- 年功序列
- 下請けになるケースがある
ITエンジニアの年収が安い理由①労働時間が長い
ITエンジニアは労働時間が長い傾向にあります。
残業することも多く、一昔前は徹夜で仕事をすることもめずらしくありませんでした。近年は働き方改革のおかげで残業を減らしている企業が多いです。
しかしそうはいってもまだまだ残業が多い企業もあり、ブラックと呼ばれる企業も存在しています。
たとえ月収が高くても、拘束されている時間が長ければ時給換算では安く感じてしまうでしょう。
ITエンジニアの年収が安い理由②年功序列
日本では、まだまだ年功序列を重視する企業があります。
入社したばかりのときは、同期社員ではあまり差が付きません。しかし、経験を積んでいくと、だんだんと立派なエンジニアになっていきます。とはいっても個人差があるため、同じ期間を働いていたとしても残した実績に差が出ることは多いです。
日本の企業の多くは年功序列に重きを置いているため、スキルよりも勤続年数が評価基準となることが多いです。
そのため、優秀なエンジニアであっても、勤続年数が少ないと能力に見合った給与をもらえない可能性があります。
ITエンジニアの年収が安い理由③下請けになるケースがある
ITエンジニアが勤める企業によっては、大企業から受注して仕事をしているケースもあります。
そのような下請け企業の場合、どうしても仕事の単価が安くなってしまいます。
そうすると当然年収も安くなってしまう上、締め切りまでに仕事を終わらせるために勤務時間も長くなりがちです。
同じITエンジニアであっても、下請け専門の企業で働いている場合は、年収が低くなる可能性があります。


プログラマーの平均年収が低い理由
日本国内では、ITエンジニアと比較してプログラマーのほうが平均年収が低いことが多いです。
その理由としては以下の3つが考えられます。
- 下請け専門の企業が多い
- 非正規雇用が多い
- 給与が自分の市場価値に見合っていない
プログラマーの平均年収が低い理由①下請け専門の企業が多い
大手企業からの受注を専門でやっている企業は、仕事の単価が安くなってしまうため、どうしてもプログラマーの給料も低くなってしまいます。
下請け企業のプログラマーは拘束時間が長く、年収も低いため、決して労働環境がいいとは言い難いです。
下請け専門の企業で働いている限り、年収アップは難しいかもしれません。
年収アップを目指すならば転職するか独立するかがおすすめです。
プログラマーの平均年収が低い理由②非正規雇用が多い
プログラマーはITエンジニアと比べて、非正規雇用が多いです。
非正規雇用の場合、どうしても正社員よりも給与が低くなってしまいます。
賞与などの条件面も正社員より劣ってしまうため、年収を上げるのも難しいです。
非正規雇用のプログラマーのままだと年収を上げるのは困難なため、フリーランスとして独立したり、副業をかけもちしたりするプログラマーも多いです。
プログラマーの平均年収が低い理由③給与が自分の市場価値に見合っていない
高いスキルを持っているにもかかわらず、それに見合うだけの給与をもらっていない人もいます。
正当な評価を受けるためには自分から持っているスキルをアピールする必要があります。また、正当に評価してくれるには会社もそれなりの規模である必要があります。
会社から求められることだけを淡々とこなしているだけでは年収を上げることは難しいです。
市場価値の高いスキルを身につけているならば、もっと年収が高い企業に転職するか、フリーランスとしての独立を考えてみましょう。
平均年収が高いITエンジニアの特徴
年収が低いITエンジニアがいる一方で、高収入なITエンジニアもいます。
では、この両者にはどういった違いがあるのでしょうか。また、平均年収が高いエンジニアにはどういった特徴があるのでしょう。
- 市場価値が高いスキルを身につけている
- オリジナルのサービスを作れる
- コミュニケーション能力が高い
- 業務の効率化が得意
- 年収が高い企業に勤めている
平均年収が高いITエンジニアの特徴①市場価値が高いスキルを身につけている
専門的なスキルを身につけているとスペシャリストと呼ばれ、平均年収が高くなります。
特定のスペシャリストになることで市場価値も上がり、希少性の高い人材になることができます。そうすると高単価な案件も受けやすくなります。
それに対してさまざまな業務をこなせるマルチタスク型の人は、マネージャーやディレクターのようなジェネラリストになることで平均年収をアップさせることができます。
平均年収が高いITエンジニアの特徴②オリジナルのサービスを作れる
オリジナルサービスを設計・開発できるようになれば市場価値が高まり、平均年収も上がっていきます。
企業は他社との差別化を考えています。他と同じようなことしかできなければ、わざわざ自社を選ぶ理由がなくなってしまいます。
そのため、他社と大きく差別化できるようなオリジナルサービスが作れれば、かなりの需要が見込めます。
もしフリーランスエンジニアならば、単価の高い案件を受けやすくなります。
平均年収が高いITエンジニアの特徴③コミュニケーション能力が高い
エンジニアと聞くと、パソコンに向かって黙々と作業をしているイメージがありますが、実際はクライアントや同僚とのコミュニケーションが必要になることが多いです。
クライアントからしっかり要望を聞き出せないと、希望に沿ったものが作れませんし、同僚と上手くコミュニケーションが取れないとチームワークが乱れてしまいます。
コミュニケーション能力が高く、円滑なコミュニケーションができる人は、エンジニアとしても重宝されます。
また、コミュニケーション能力が高いとチームリーダーやプロジェクトマネージャーといった上位職種になれる可能性も出てきます。
平均年収が高いITエンジニアの特徴④業務の効率化が得意
業務を効率化できれば、少ない時間で多くの業務がこなせるようになるため、年収を上げることができます。
作業量が多く、膨大な仕事を任されることが多いエンジニアにとって、業務の効率化はとても重要です。時間を短縮できれば時給単価が上がりますし、空いた時間を他の作業に充てることもできます。
空いた時間を利用して副業を始めればトータルの年収を増やすこともできます。
業務を効率化できるツールを積極的に導入して、時間が短縮できないかどうか考えてみましょう。
平均年収が高いITエンジニアの特徴⑤年収が高い企業に勤めている
年収の高い企業に勤めていれば、必然的に平均年収が高くなりやすいです。
年収が高い企業は基本給与の他に、成果報酬型の支給を設けているところもあります。その場合、頑張れば頑張っただけ年収に反映されます。
その反対に、下請け業者に勤めていると、いくら資格取得やスキルアップをしても年収が上がる可能性は低いです。
>>システムエンジニア(SE)の単価相場について解説!単価を上げる方法も
ITエンジニアで年収1,000万円を目指す方法
エンジニアの平均年収を考えると、年収1,000万円というのはかなり高い金額です。
しかしなかなか年収が上がらずに悩んでいるITエンジニアも多いはずです。
ITエンジニアとして平均年収を上げていくためには、以下の行動を心がけましょう。
- 資格を取得する
- 専門知識・スキルを高める
- 上流工程を担当する
- 年収の高い企業に転職する
- フリーランスエンジニアになる
ITエンジニアで年収1,000万円を目指す方法①資格を取得する
自分のスキルを証明するのには資格を取るのが効果的です。
資格があればすべての人から平等に評価してもらえますし、転職やフリーランスになるときの武器にもなります。中でも国家資格は取得難易度も高いため、持っているだけで信頼性が高まります。
たとえば、経済産業省が認定する資格としては以下のようなものがあります。
- 基本情報技術者試験(FE)
- システムアーキテクト試験(SA)
- ネットワークスペシャリスト試験(NW)
- システム監査技術者試験(AU)
- 情報処理安全確保支援士試験(SC)
資格を所持していると社内・外部の評価も上がるため、取得しておいて損はありません。
ITエンジニアで年収1,000万円を目指す方法②専門知識・スキルを高める
需要の高いプログラミング言語を身につければ仕事の幅が広がります。
エンジニア業界はゼネコン構造であるため、なかなか年収を上げるのは難しいです。しかし、「多くのプログラミング言語を使える」「卓越したスキルを持っている」エンジニアは市場価値が高くなります。
近年はAI(人工知能)の需要が高まっており、今後もかなりの需要が見込まれます。そのため、AIについての知識・スキルを身につけておけば将来的に役立つ可能性が高いです。
Pythonのような汎用性の高い言語を習得しておくことで、自分の市場価値を高めることができます。
ITエンジニアで年収1,000万円を目指す方法③上流工程を担当する
上流工程を担当できるようになれば年収が上がります。
現場で手を動かして作業するエンジニアよりも、プロジェクトの統括やエンジニアをマネジメントができる人の方が年収は高くなりやすいです。
現場の作業がスムーズに進められるようなマネージャーは市場価値も高いです。
年収アップのためにプロジェクトマネージャーを目指す場合には「プロジェクトマネージャ試験」や「ITサービスマネージャ試験」といった資格試験に挑戦してみましょう。
ITエンジニアで年収1,000万円を目指す方法④年収の高い企業に転職する
自分のスキルや成果を正しく評価してもらうためには、年収の高い企業に転職するのも有効です。
現在、下請けや孫請けのような会社で働いている場合、上流の企業に転職することで年収がアップする可能性が高いです。
いくら努力してスキルを身につけたとしても、企業が正当に評価してくれない限り、年収アップは臨めません。
スキルにあった年収をもらうためにも年収が高い企業を目指すのはとても有効です。自分で企業を探すのが難しい場合には、転職エージェントの利用も検討してみましょう。
ITエンジニアで年収1,000万円を目指す方法⑤フリーランスエンジニアになる
自分のスキルに自信があるならば、独立してフリーランスエンジニアになる方法もあります。
フリーランスエンジニアになると高単価の案件に挑戦できるようになり、単価交渉なども行えるようになります。また成果報酬となるため、仕事をすればするだけ年収が上がっていきます。
ただし、誰でもフリーランスエンジニアになれるわけではありません。
ある程度の知識・経験・スキルがないと、たとえ独立しても継続して仕事を受注するのは難しいです。
また実際の作業以外にも、確定申告などの事務手続きも増えるため、しっかり自己管理できる人でないとフリーランスエンジニアとして成功するのは難しいかもしれません。


平均年収が低い場合はエージェントを利用しての転職も
今の会社では、これ以上の年収アップが期待できない場合、転職も選択肢に入ってきます。
その場合は、エージェントを利用して、効率良く転職活動を進めましょう。
エージェントに登録することで、希望にあった求人を紹介してもらえるようになります。また、フリーランス向けのエージェントに登録しておけば、自分で営業をしなくても仕事を見つけることができます。
おすすめエージェント①レバテックフリーランス


「レバテックフリーランス」は登録者数が1位でありながら、利用者の平均年収が862万円という業界最大級のフリーランス専門エージェントです。
週3日から働ける案件から、フルリモートで働ける案件まで、さまざまな案件を所有しています。
単価交渉や契約の手続きなどはエージェントが代わりにやってくれるため、実務だけに集中できます。
現在フリーランスでなくても情報収集のためだけに登録することが可能です。
おすすめエージェント②ITプロパートナーズ


「ITプロパートナーズ」は週2日から働ける副業案件に強いフリーランス専門エージェントです。
IT業界で起業したい人も利用できるため、安定して案件を獲得できます。
もちろんフルタイムで働きたい人向けの案件もそろっているため、フリーランスとして独立するまでの収入を確保したい人にもおすすめです。
おすすめエージェント③Midworks(ミッドワークス)


「ミッドワークス」は、IT系フリーランス専門エージェントです。
常に3,000件以上の案件を掲載しており、正社員並みの待遇を受けることができます。
フリーランス特有のリスクも防いでくれるため、初めての起業で不安が多い人にも安心です。
急に案件が途切れてしまったときの給与保障制度や、生命保険料の半額負担が福利厚生として整っているため、フリーランスにとって心強いサービスです。
>>Midworks(ミッドワークス)の公式サイトをチェック
まとめ
ITエンジニアはスキルや経験によって年収額に差が出ることが多いです。
そのため、しっかり努力してスキルや経験を積み重ねていけば年収は上がっていくはずです。そのためには自主的にスキルアップしていく必要があります。
いつも言われた作業ばかりしているだけでは、年収アップは望めません。
また、ITエンジニアとして年収を上げるためには平均年収が高い企業に転職するのも有効です。
もし自分のスキルに自信があるならば、フリーランスエンジニアとして独立するのもおすすめです。
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